今朝の致知出版社の人間力メルマガより
松下幸之助氏との出逢いより
「経営者の条件とは何ですか」って聞いたら、真っ先に「運が強いことや」と。
矢継ぎ早に、「運を強くするにはどうしたらいいですか」と聞いたわけです。
そうしたら、「徳を積むことしかない」と。これが運と徳の関係に触れた最初でした。
〈Nさん〉
松下幸之助の薫陶を受けられたこと自体が、T先生の運の強さの表れですよ。
〈Tさん〉
また、徳についてはこうもおっしゃっていましたね。
「徳というのはAさんに掛けて、Aさんから返ってきたことは一回もない。
だからと言って、Aさんに徳を掛けなくていいかというとそうではない。
どこから返ってくるか分からないから、会う人それぞれに徳を掛けなきゃいけない」
じゃあ徳って何かということですが、私なりに東洋思想を学んで規定したのは、
自己の最善を他者に尽くし切ることです。
先ほど述べた道元のように、丁寧に心を込めて一人ひとりに接していけば、
ありがとうと感謝され、自分が病に臥せたり仕事がうまくいかずに腐っていたりする時に、
見返りなく手を差し伸べてくれる。
そういう感謝の人間関係で結ばれた人が周囲に何人いますかと。
『論語』に「徳は孤ならず、必ず隣有り」とありますけど、
やっぱり人間は一人では生きていけない。他者の応援が必要です。
それには徳を掛けることが不可欠なんです